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2020.10.12旅記

2020 ホーウィック記 番外編


イタリア人の陽気な接客と、本格大衆イタリアン料理(ここのシェフで言えばイッタァーリアンかな *巻き舌で)と美味しいワインに舌鼓した前夜。

疲れを癒したこの日は南方への旅路。

エディンバラから約1時間半、WILLIAM LOCKIE のファクトリーへ向かいます。

グラスゴーでピックしたRVワーゲンはなかなか快適で、自然の多い景色間を走るには気持ちがいい。

悪く言えば同じ景色、、隣は自然と眠るわけで。。

なにせ7年前は突然の指令を受けバスで3時間かけて向かったルートでもあって、

私にとっては記憶との答え合わせ。

実は結構楽しかったり。

地図を見ながらこのままリーズまで下りてイングランド入り…などと先のルートを妄想しながら一人(二人)田舎ドライブです。


この風景が延々と続きます。。

羊が一匹、羊が二匹…羊がぁぁぁ…

たまにいる黒毛の羊が見つかるとちょっと嬉しい。


後半虚ろになりながらもなんとか到着。。

老舗ニットメーカーが集まるスコットランド南方ホーウィック地方。

英国製のカシミヤやラムウール製品の大半を製造している場所に、目的のファクトリーがあります。

ここは俗にいう眼鏡は鯖江、ニットはホーウィック、といった産地のようなところ。

にしてもどこもかしこも右も左もローバーだらけ。さすがイギリス、指くわえます。。


あらためて 1874年創業、WILLIAM LOCKIE 社。

ここで作られるラムズウールセーターは、世界中のニットファンからとても高い評価があるのは周知の通り。

道中の通り自然豊かな環境のもと、天然繊維しか使わないファクトリーで、

代々続けられている伝統的な技術を用いて、高い品質を維持してるんですね。

良いものは繋がっていくし、世代を超えて評価される。。

んー、教訓ですねぇ。。

さぁいざ中へ。

少し時間が押して15時頃の訪問。

行くとは言ったが時間を指定していなかった…

フル稼働の午前中と比べて早く終了することがたまにあるので実は少し汗。


迎えてくれたのはお世話になっている社長のデイビッド、現場で会うのは初めて。

あたふたの英語力で質問責め、学びの時間です。

もともとは上質なカシミアを生産する工場。

その他、コットン、ラム等の自然素材を扱いながら、ラムズウールの評価によって知られていった場所です。

この工場の近くに川が流れているのですが、水質が柔らかくて洗った後の仕上がりがソフトになるらしく、

この地方の環境と人柄がもたらした素敵な場所なんですね。

この素材ロールに触れることは貴重なんです。

技術はもちろんなんですけど、その場所でしかできない素材が大元になりますからね。

これから編まれて、組み立てて、洗って、それから市場に出る製品なんですから。

ファクトリーで感じとる一歩目です。さわさわ。


奥の部屋にあるこの機械は1950年代から使い続けているそう。

ガシャコンガシャコン!

音がまたすごい。

だけど編まれて出てくる生地はとってもしなやかで驚き。

かなり密に編んでいるので、ハイゲージのしっかりした肉感も感じますよ。

ずっと見てられる。。


もうひとつの部屋には最新の編み機。

こちらは ウィーンウィーン というスムーズな音。

機械技術が上がって作業時間が短く仕上がるそう。

カシミア、ラム、メリノ、すべて生産が可能な機械。

先の機械で仕上がってくることには特に感動がありますが、技術進歩で同じ仕上がりを維持することの難しさがこの部屋からは感じます。


縫製前作業。


なにせデイビッドの説明が丁寧。

手取り足通り教えてくれます。(質問たくさんしたからか。。)

これは繋げた身頃にネックの切れ込みを入れる作業過程。

勇気が入りますね。と言ったらニヤッとされました。


この機械と現場は特別でした。

胴とリブを繋げていくのですが、とっても細かい。

編み物をされている方はよくわかると思いますが、ローゲージではなくハイゲージ。

ハイゲージで仕上がった生地とハイゲージで仕上がったリブで繋げていくんです。

高速機械に手作業で。

熟練の技術ですね。


ここで組み仕上がったカーディガンの一枚。

まだ油分がたっぷりでヘビーな状態。

ここから洗いをかけて独特な風合いに仕上げていきます。

この時は信じられないくらい硬さ、そして重い!

羊毛は油をたくさん含んでいるものなので、最終的にどれだけの質感になるかは各メーカーで様々。

羊の品種、それに合った技術、

柔らかくて着心地良くて暖かい。

そして何より永く使えること。

流行り風潮なし、ベーシック万歳。

メイドインスコットランド。

WILLIAM LOCKIE を選ぶ最大の理由なんですね。


カラー地獄。。笑

レギュラーにしているラムズウールは、

他の通常品種のウールよりも繊維が細いので、製品になると光沢が見て取れて、しなやかな仕上がり。

そして言うまでもないですが、あったかい。


今回はレギュラーラムと別に、

初めてラムウールの中でも最高峰といわれるジーロンラムウールをもセレクトしようかと。

これはオーストラリアのジーロンと言う土地で育てられた、純血種の生後6ヶ月ころの仔羊の羊毛。

まさにA5ランク!

とっても柔らかな最高級のラムウールです。

良い。


気づけば皆が帰り出す17時前。

色んな話を聞きながらこの場所に浸る2時間あまり。

また新たな良さの確認で、ベルカルテに暖かさを持って帰れそうな気がしました。


今回はさらに南下は諦めてエディンバラへ。(もう一泊取っているからね)

また隣は寝るのかな。。

katayama



ようやく写真が復活しました。。

pc壊れてから数年。。

近々掘り起こして3年分のコラムを執筆します。

ひっそり。

category : 旅記