「帽子」一瞬で気分を変えてくれるもの
2025.07.13Hat
朝、鏡の前でつぶやく。
「今日の私は、どうしたい?」
朝支度をする妻の後ろ姿。クローゼットの引き出しを開け閉めするする音、衣装部屋を歩く足音。そして時折、
小さく独りごとのように聞こえる「うーん……」という声。
それが、わが家の一日の始まりの音です。
鏡の前で髪を整えながら、首をかしげて、帽子を手に取る。
今日はお気に入りの「mature ha.(マチュアーハ)」のハット帽。
理由は二つあるらしい。
オシャレのため、そして髪がまとまらない日の“秘密兵器”。
「セットめんどくさいなぁ……でも帽子があるから、まぁいっか」。
帽子を手にする彼女の心の声が、キッチンまで届きます。
ちなみに朝ごはんは、僕の担当。
基本和食、時にパン食。
あらかじめ前夜に仕込んだお味噌汁を味付け、時には副菜に卵と梅干し。
炊き立てのご飯をかきまぜて茶碗に、残りのご飯はおにぎりにして(最近は梅胡麻おかか)ランチバックへ。
一連の作業はもうすっかり体に染みついていて、特に意識しなくても、手が勝手に動いてくれます。
毎日の夜ご飯を作ってくれる彼女へのリスペクト。
女性の支度は時間がかかるもの。
洋服、髪型、メイクに加えて、天気や気分まで影響されるから、ほんの少しの朝の時間の手伝い。
彼女が支度にかける時間と、僕が味噌をとくリズムが、わが家の朝のテンポをつくっています。
さて、そんな朝支度。
ファッションの手助けをしてくれるのが、今夏の日常に必需でもある「帽子」。
化粧じゃなくて、洋服じゃなくて、何なら髪型よりも、一瞬で気分を変えてくれるもの。
日本製で軽やか、折りたたみ可なのが魅力、「mature ha.」のペーパーブレード帽を使用したコーディネートのお話です。
最近お店の帽子の主となっている、ライトタイプのハット。
程よくもしっかりとしたレギュラータイプに比べて、さらに軽く柔らかな感触。
型崩れしにくいうえ、折りたためばバッグに収まるので、旅にも向いているのが嬉しいところ。
繊細に編み上げられたペーパーブレードはとってもしなやかで、どこか”余白”のある大人の余裕を感じさせてくれるような雰囲気。
そしてその印象は、ツバの長さひとつで驚くほど変わリます。
「ツバの差で変わる印象」。
ツバの長さはショートブリム(約6.5cm)とロングブリム(約1cm)の2種類。
ショートブリム(約6.5cm)
¥25,300 (23,000)
スッキリとしたラインでどこかボーイッシュ。
顔まわりが明るく見えて、アクティブ感も。
「今日は子供を送ってから買い出し、そのあとカフェで資料読んで、夕方は歯医者……!」
そんな“タスク多め”な日に選びたいのが、短めツバ。
顔まわりにしっかり日陰は作りつつも、視界は広くて安心。
顔を出して歩くのにもちょうどいいし、風に煽られにくくて自転車でも快適。
とっても軽くて、顔側のつば先だけクルンと曲げても愛嬌があります。
「頑張っておしゃれする!」ではなくて、「おしゃれに見えるようにオブラート」の日はこんな感じ。
Tシャツ+リラックスパンツ+レザーサンダルでラフにカジュアルコーディネート。
この日は「prit(プリット)」のフレンチスリーブTシャツに、フレンチビンテージのしなやかに揺れ動くタックスラックス。
足元には「BRADOR(ブラドール)」のトングサンダルを。
それからショートブリムをサッとかぶったら完成。
これさえかぶれば、多少の寝坊も”戦略的時短”って言い張れるかも(笑)。
ロングブリム(約11cm)
¥27,500 (25,000)
顔を大きく覆い、シルエットに雰囲気漂わせる“女優帽”タイプ。
一人でふらっと美術館へ、余裕のある午後に、あるいはとっておきのデートにも。
あえてワイドなツバで“存在感”を加えます。
知人に会っても、「どなただろう?」と一瞬惑われるのもまたご愛嬌。
すっぴん隠しにも最適で、実は“オフの日”の強い味方。
同じコーディネートでも、合わせる帽子ひとつで見え方を変えられるのも小物の強み。
ショートが「動く日」なら、ロングは「満ちている日」。
美術館の静けさと影の中で、広いツバが静かに揺れる感じ。
カフェのテラスでページをめくる時、ほんのり影を落とすロングブリム。
シンプルな帽子で主張しないのに、「あの人、ちょっと素敵……」と思わせてしまったりして。
「mature ha.」のペーパーブレード帽子は、こうして三つ折りにたためることが大きな利点。
カバンに入れて持ち運べて、普段使いはもちろん、旅する人にも向いていること。
大切な人への贈り物にするのもいいですね。
また、次の日は公園へ。
「fog linen work(フォグリネンワーク)」のノースリーブのリネンワンピースと、「mature ha.」のショートブリム。
ロング丈のリネンワンピは、それだけで「ナチュラル感」を演出できるアイテム。
でも全体をナチュラルにまとめすぎると、「近所の散歩?」くらいのぼんやりした印象になることも。
そこでツバ短めの軽やかな帽子をプラス。
一気に“抜け”ができて、リネンの素材にアクティブさとシャープさが加わります。
足元にはサンダルでもスニーカーでもハマるのがこの組み合わせのすごいところ。
腕の肌見せに帽子で視線も上がるから、ちょっとイキイキして見える効果もアリ。
ナチュラル感が“生活感”にならない工夫、ここにあります。
それからロングブリム。
同じリネンのノースリーブワンピースでも、ロングブリムを合わせた瞬間に、全体が“静のオーラ”に包まれます。
ツバが生み出す影と空気が、なんとも言えない余韻に。
首筋や肩のラインがやわらかく見えて、女性らしさがグッと漂います。
正直、風のある日なんかはツバがひらりと揺れて、またそれが美しくも。
自分で自分にうっとりしても良いと思うのです(自己満足でOK)。
パンツを重ねてあえて下に重さをプラスしても。
ノースリーブの縦のバランスを意識して。
足元は華奢なレザーサンダルで「余白感」を大事に。
バッグはラフィアの天然素材を選べば、全体に呼吸するようなまとまりが生まれます。
同じノースリーブのワンピースを着ているのに……
ショートブリムをかぶれば「さっぱりしていて感じのいい人」。
ロングブリムをかぶれば「ちょっと気になる余白のある人」。
帽子って、ほんとうに面白い。
服を買い足さなくても、今ある服を違って見せる道具にもなる。
帽子って、”似合うかどうか“より”どうかぶりたいか“が大事。
日々の自分に寄り添ってくれるような「mature ha.」のペーパーブレードは、最初のひとつには最適かも。
また今日も暑くなりそうです。
どの帽子で気分を上げましょうか。
katayama
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